マンガや映画に出てくる忍者のように
常に戦っているわけではない
忍者と聞いて思い浮かべるのは、黒装束をまとい手裏剣や煙幕を使いこなす姿です。しかし、実際の忍者は身分を隠して生活していました。旅芸人、行商人、修行僧、山伏。ときにはけが人や病人などを演じて、周囲に溶け込みスパイ活動を行っていました。
忍者の生活
忍者の実生活は、農村の中にありました。平和に見える暮らしぶりの裏で、忍者たちは薬草・毒草を栽培したり、火薬や武器を作ったり、鍛錬を重ねたりしていました。伊賀に伝わる「伊乱期」には、戦国時代の忍者の暮らしが詳細に記されています。
忍者の食事
忍者は常日頃、雑穀や芋、野菜、大豆や卵などバランスのいい食生活を心がけていました。任務中はシナモン、人参などに氷砂糖を混ぜた携帯食「兵糧丸」で、飢えや病気を防ぎつつ、時には便意もコントロールして、任務を完璧に遂行しようと努力していたのです。
忍者の医学
忍者は経験と学びにより、薬草の種類・効能に精通していました。その知識は任務中、病気や怪我の治療はもちろん、毒薬といった用途にも活用されたのです。その経験は脈々と受け継がれており、現在、吾妻真田忍者の末裔により行われている科学的なキノコ栽培は、その一端かも知れません。