日本版スパイ！？忍者とはどんな存在だったのか
闇夜を飛び回り、独特な武器と忍術で敵を圧倒する。そんなイメージの一方で、忍者は極力戦闘を避け、敵の情報を集めたり破壊工作などで敵に混乱を与えたりしていました。まさに、現代風でいう「スパイ」に近い存在と言えるでしょう。
忍者にとって、最重要任務は「生き残ること」でした。敵の情報を、生きて主君に伝えなくてはいけなかったからです。過酷な状況を耐え忍び、動じない心で任務を遂行した忍者は、古来より日本人が大切にしてきた文化の体現者とも言えるでしょう。
忍者の役割とは何か？
忍者の活動には、日本の風土の中で培われた、先人の知恵が凝縮されています。動植物の特徴、星々の運行、天候の察知、匂いや音への反応。かすかな異変をすばやく察知し、主君に重要な情報を届けていたのです。
忍術とは何か？
「甲賀忍之伝未来記」「万川集海」といった忍術書には、敵地へ忍び込む方法や、さまざまな道具を使いこなす方法が書かれています。そして、忍術の本質とは敵を知り、その不意を突くことでスパイ活動を成功させることにあるのだと、忍術書は伝えています。